バルセロナ出産記⑤

 私の位置からはモニターが見えないので、夫に「モニター見て、陣痛のレベル教えて!」と頼む。「いま60、、、70,、、80,、、きてるよー」とか言う夫に合わせていきむ。いきんでいるうちに、また少しずつお腹が張る感覚が戻ってきた。よしよし、これで産めるぞ!

 おへそのほうを見て、力を入れる。「Fuerte, fuerte, mas, mas!」(強く強く、もっともっと!)マリアホセが励ましてくれる。「髪の毛が見えてますよ。見たい?」とDra.hochmanが夫を手招きしている。私の頭の位置にいる夫は「No.」。マリアホセが手鏡を使って私にも見せようとしてくれる。どれどれ?うーん、その角度じゃ見えない、もうちょっと上、、、「あ、わかった!見えた!すごい!!」。こんな余裕も麻酔のおかげ…。

 さあ、もう1回、次の陣痛で産むぞ!前回はただただ痛みと苦しさにのたうちまわって「もういっそのこと殺してクレー!」とまで思った出産。「絶対に、もう二度とこんなことするもんか!」としか思えなかったつらいつらい出産。誰か助けて、どうにかして、もうやだー!!!…ひたすら頭がパニックだった。
 今回は正反対に、超前向きな自分。赤ちゃんがスムーズに出てくるためには、私が適切にいきまなくちゃ。息子のために早く産んで終わらせなくちゃ。せーの!

 …と思ったら、3度目のPujar(いきみ)で、ツルリ。次の瞬間、胸の上に赤紫色の、ほにゃほにゃの娘が乗せられていた。終わった…。AM6:15。

 あまりに平静だったし、息子のことばかりが気になっていたので、さほど感動もないかも、、、なんて思っていたけど、やっぱりこの瞬間は涙が出てきていた。「か、か、かわいい…。」息子のときと全く同じことを言って、同じように泣いている夫。息子よりも一回り、体も、泣き声も小さい。頼りなくて、壊れそうな女の子…。お腹のなかにいたときから胎動もおとなしかったけど、産まれた瞬間も男の子とは全然違う。かわいくて、はかなくて、守ってあげたくなる。
 
 先生が、「へその緒切る?」といって、はさみを夫に差し出した。夫は今度は「YES」といって、はさみを受け取った。切る瞬間を私もじーっと見ていたけど、最初は「ぐにゃり。」とへその緒が挟まっただけで切れず、もう1回やり直してやっと切れた。へぇ、固いんだ。さらに先生は、「胎盤見る?」というので「YES!」と私。25センチぐらいもある大きな平べったい内臓みたいなものを先生が両手でつり上げた。赤ちゃんより重そう。こんなものが入ってたのね…。

 それから赤ちゃんはもろもろのチェックに連れて行かれ、私はお腹の掃除?と縫合。「前回のお産の縫合がかなりダメージになってるわねー。」と先生。前回は、傷口も出血もひどかったのだ。(タダより怖いものはない、とも言う?)
 処置が終わって、出生証明書のフォームを先生からもらって全て終了。おくるみにくるまった娘を再び胸に乗せてもらう。先生は、「おめでとう!」といって、私と夫にBesitos(抱き合ってチュー)をしてくれた。私は「ありがとう、先生のvacacionesの前に産めて、本当にハッピー!」と言った。
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by septfilles2 | 2009-08-15 19:01 | 出産記  

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